創太のROCK塾

~ロックバンド特化型作曲講座~

〜知識ゼロから作曲できるまでの5ステップ〜 「ステップ④ コードの機能」

 

 

 

「人の感情を動かしたいならコードを自在に操れ」

 

 


どうも、"ROCK作曲家"の「創太」です。

 

ロックバンドのボーカルとして、オリジナル曲の作詞・作曲・DTMをしています。

 

今回は「知識ゼロから作曲できるまでの5ステップ」シリーズの4回目になります。

 

 

 

以前のステップを終えていない方は、こちらからどうぞ!

 

順番に理解していかないと、高確率で消化不良になりますよ~。

dreamer-sota.hatenablog.com

 

 

 

前回の講座で、これを使えば外すことはない最強のコード、「ダイアトニックコード」を紹介しました。

 

しかし、外さないとはいえあまりに適当なコード進行だと、聴く人の心に感動を与えるのは難しいです。

 

感性でできる場合も確かにありますが、ある程度理論を理解していた方が良い曲を素早く作れるようになります。

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コードの機能を知らないと、良い進行がなかなか作れず、作曲が思うように進まないと思います。

 

苦悩する時間に嫌気が差し、作曲自体が苦痛になってしまうかもしれません。

 

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どうせ曲を作るなら、モチベーションが高い内に、楽しく良い曲を作り切れる方が良いですよね!

 

「○○が作る曲は、毎回良いよね。」って言われたいですよね?

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「出す度にリスナーに褒められるような曲をコンスタントに作っていきたい!」

 

そんなあなたに必要なのが、「コードの機能」に関する知識というわけです。

 

それでは早速行きましょうか!

 

 

 

【知識ゼロから作曲できるまでの5ステップ】

 

①十二平均律


②メジャースケール


③ダイアトニックコード


④コードの機能


⑤作曲の手順

 

 

 

〜 ④コードの機能 〜

 

”コード界の三大将”「スリーコード」

 

Cのダイアトニックコードを使って、説明していきます。

 

7個コードがあるわけですが、実はこの中で特にエネルギーが強いコードが3つあるんです。

 

それが、「スリーコード」です。

 

Cのダイアトニックだと、「C」「F」「G」です。

 

ワンピースでいうと、海軍三大将ですね! 

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”ザ・安定感”「トニック」

 

この中でも一番エネルギーが強いのが「C」のコード。

 

やっぱり、キーである「C」の音が入っているので強いんです。

 

Cは「トニック」という機能を持っており、「安定感のある響き」を特徴とします。

 

安定感があるので、進行の最初や最後に置かれることが多いです。

 

保育園や幼稚園の発表会の時に「礼」をするとき、ピアノに合わせてやりませんでしたか?

 

その時の進行はC→G→Cなんですが、これをGまででやめてしまうと何だか終わった気がしなくてムズムズします。

 

Cに帰ると、「ああ帰ってきた。あるべきところに収まった。」という風に感じます。

 

なぜなら、Cの響きは安定感があるからです。

 

「トニック」に帰ってきたから、そう感じるんですね。

 

 

”ピンチの演出家”「ドミナント

 

先ほど「礼」のピアノ伴奏の話でしれっと「G」が出てきましたが、

 

Gは「ドミナント」という機能を持っており、「不安定な響き」を特徴とします。

 

「不安定?そんな音使って大丈夫なの?」

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それが大丈夫なんです。

 

むしろ、曲というストーリーを演出するにあたって必要不可欠な存在なんです。

 

何のピンチもない順風満帆なストーリーで感動することって難しいですよね?

 

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 それと同じで、曲もずっと「安定」だと退屈に感じてしまうんです。

 

やっぱりピンチを乗り越えて大逆転する「波乱万丈ストーリー」が面白いんです。

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だから、あえて意図的に「不安定」を差し込んで、最終的に「安定」に着地させるわけです。

 

ドミナントが不安定を演出した後だから、トニックという安定に帰ってきたときに、

 

より「ホッと」できるんです。心が動かされるんです!

 

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ドミナントは、「トニックに向かいたがる」性質を持っているとも言えますね。

 

「不安定なドミナントは、安定のトニックに向かいたがる。」ここはポイントです!

 

 ちなみにJ-POPでは、Bメロで変化をつけたいときや、2番のサビが終わって大サビに向かうまでのセクションで、変化をつけたいときによく使われます。

 

 

名脇役”「サブドミナント

 

最後は「F」ですね。

 

Fは「サブドミナント」という機能があり、

 

「少し不安定な響き」という、なんともはっきりしない特徴を持っています。

 

でもそんな「サブドミナント」もストーリー作りには必要不可欠な存在です。

 

トニックが「平和」、ドミナントが「ピンチ」だとしたら、

 

サブドミナントは「不穏な動き」「何かの前ぶれ」といったところでしょうか。

 

トニックとドミナントだけで曲を作ったら、ちぐはぐな曲になります。

 

ドミナント⇒トニックの場面では、「ピンチの状態から落ち着いた~」となるので良いのですが、

 

そこからまた、トニック⇒ドミナントに行くと、どうでしょう?

 

落ち着く暇もなく「またピンチ!?」となり、聴く方はついていけず、疲れてしまいます。

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中ボスに敗北して大技で吹っ飛ばされた先は、ラスボスの目の前だった…みたいな。いや修行させてくれと。キツすぎるだろうと。

 

なんの伏線もつなぎもないので、めちゃくちゃ雑なストーリーになってしまうんですね。

 

このつなぎに使えるのが「少し不安定な響き」を持つ、サブドミナントというわけです。

 

安定でも無いし、かといってめちゃくちゃ不安定でもないからこそ、丁度良いんです。

 

J-POPのコード進行では、つなぎとして使われたり、Aメロやサビの頭に持ってくることもあります。けっこう万能に使えるんですね。

 

ちなみに安定のトニックは、少し不安定な「ドミナントに向かいたがる」性質があります。

 

ずっと安定だとつまらないので、ちょっと変化が欲しくなるわけです。

 

毎日退屈な箱入り娘のお嬢様が、刺激を求めて屋敷抜け出す。みたいな感じですかね!

 

 

コード進行とはストーリーである

 

どうですか、何気なく聴いていたコードに機能があったなんて面白く感じませんか?

 

このように各コードの機能を上手くいかすことでストーリーを演出していくのが、僕ら作曲家というわけです。

 

コード進行の例をひとつ紹介しておきますね。

 

トニック→サブドミナントドミナント→トニック

 

安定 →  少し不安定 → 不安定 → 安定

 

映画で言うと、平和 → 中ボス戦でちょいピンチ → ラスボス戦で絶体絶命 →

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→ からの大逆転勝利!みたいな感じですね。

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 これはほんの一例であって、必ずトニックで始まってトニックで終わる、なんてルールはありません。

 

自由な発想で組み合わせてオッケーなんです!

 

 

”スリーコードのクローン”「代理コード」

 

さて、ダイアトニックコードの3/7を紹介し終えました。

 

VIIm-5は特殊なコードで、ほとんど曲には使われないので説明は省略します。

 

では残りの3つのコードはどんな機能があるのか。

 

「これ以上新しいカタカナを覚えるのはキツいです…」

 

そんな方もご安心ください!

 

なぜなら、残りの3つは「代理コード」といって、スリーコードとほぼ同じ機能を持っているからです。

 

オリジナルとはちょっと違う個性を持ったクローンみたいな感じですね。

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ですので、新しくカタカナを覚える必要はありません。

 

残りのコードは「Dm」「Em」「Am」ですね。

 

EmとAmはCの代理コードです。

 

ですから、トニックの要素を持っています。

 

ダイアトニックコード表の「機能」の欄にて、ぜひご確認ください。

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なぜ、代理コード「Em、Am」は「C」と響きが似ているのか。

 

その理由は、コードの構成音を見ていただけると分かります。

 

C … ドミソ

Em…ミソ

 

C…ドミ

Am…ラドミ

 

このように、構成音の2/3が一致しているから響きが似るんですね。

 

ちなみにDmはFの代理コードでサブドミナントの機能を持っています。

 

代理コードといってもやはりどのコードにも個性があり、それぞれ良さがあります。

 

代理コードを主軸とした進行の曲もたくさん存在します。

 

このように、C、Dm、Em、F、G、Amというストーリーを上手く組み合わせて、

 

人の感情を動かす曲を作っていくわけです。

  

 

コード進行はディグリーネームで覚えよう

 

さて、ここまでCのダイアトニックコードのスリーコードや代理コードについて説明してきました。

 

おそらく「他のキー、例えばキー=Dの時のスリーコードや代理コードはどれになるの?」

 

といった疑問が浮かんでいる方がいると思いますので、説明していきますね。

 

ダイアトニックコードの表を見ていただくと分かるのですが、

 

コードの上にギリシャ数字が書かれていますよね?

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これは「ディグリーネーム」といい、コード番号みたいなものです。

 

このコード番号それぞれに先程説明したコードの機能がくっついています。

 

例えばC→G→Cという進行なら、I→V→Iと言ったりします。

 

C→G→Cという進行はキー=Cですが、キー=Dに変えてみましょうか。

 

そのためにはまず、キーDにおける「I」と「V」にあたる音を確認します。

 

 キー=Dの「 I 」は、D。「V」は、Aですね。

 

ということは、I→V→Iの進行をキー=Dで行うと、D →A→Dになるわけです。

 

こうすれば、C→G→Cの雰囲気はそのままに、曲のキーを変更することができます。

 

実はカラオケのキー変更機能も、こういった原理で行われているんですね。

 

これを分かっていれば、もしあなたが「あの曲のキーを変えて演奏してみたい!」

 

と思った時、簡単にできてしまうわけです。

 

また、「あの王道コード進行を使って、自分の好きなキーで曲を作ってみたい!」、

 

なんてことも実現出来ちゃいます。

 

更に、コード進行をディグリーネームで覚えていると、

 

曲を聴いた時に「あっ、あの曲と同じ進行だ!」と気付く面白さがありますよ~。

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ここがコードの不思議で面白いところなんですが、

 

ディグリーネームでは同じ進行でも、「キーによって若干雰囲気が変わる」んです。

 

コードってのは本当に奥が深いです…

 

これ以上続けるとコードの沼に足を突っ込みかねないので、この辺で止めておきますね笑

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まとめ

 

•そのキーにおいて特にエネルギーが強い3つのコードをスリーコードという。

 

•コードは、トニック、ドミナントサブドミナントという3つの機能のいずれかを持っており、これらを組み合わせることでストーリーを演出できる。

 

•スリーコードと似た響きを持ち、同じ機能を持つコードを代理コードという。

 

ここまで読んでくれてありがとうございました!

 

次はいよいよ最後の講座ですね!

 

作曲開始まであと少しです。残り1講座、駆け抜けていきましょう!

 

次の講座で、いよいよ作曲ができるようになりますよ~。

お楽しみに!

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